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17年前

今日から17年前の1995年1月17日、淡路島北部の明石海峡沖を震源とする阪神淡路大震災(兵庫県南部地震)が起きました。あの時のことは今でもよく覚えています。

僕はその時学生で、岡山県岡山市のぼろアパートに住んでいました。地震が起きる直前、なぜかふと目を覚ましました。まだ暗い部屋の天井をほんやりとした目で見ていたら、ガタガタガタッ!と激しく部屋が揺れ始めました。

人間ってあわてると何するかわからないもので、僕は「な、なんやなんや!」とあわてながら、2mほどの高さの食器棚を手で押さえていました(苦笑)。幸い食器棚は倒れませんでしたが、その激しい揺れはしばらく続いて、やがておさまりました。

そして僕はすぐにテレビをつけました。そしたら NHK は速報を流し始めていました。しばらくそれを見ていると電話が鳴りました。それは実家の母からのものでした。その時の震度は岡山市で震度4、実家では震度3でした。母はテレビで見て心配になって電話をかけてきたようでした。聞くと弟への電話がつながらないらしいのです。

その頃弟は大阪に住んでいました。弟は地震が起きた時は寝ていたのですが、それはそれは激しい揺れだったそうです。僕には食器棚を押さえるだけの若干の余裕がありましたが、弟にはそんな余裕などなく、自分の周りで物が激しく揺さぶられ、物が無残に落ちる醜い音を耳にしながら、布団の中で丸くなってじっと耐えることしかできなかったそうです。幸いケガもなく、あとで電話もつながりました。

朝になり、僕は大学のゼミ室に行きました。そしたら担当教授が食い入るようにテレビを見ていました。僕もふとテレビの画面を見てみると…そこには信じられないような光景が映し出されていました。

市街地の間から何本も立ち上るどす黒い煙。横倒しになった高速道路の高架橋。押しつぶされたように原形をとどめていない家々…。この世のものとは思えない光景に僕は言葉が出ませんでした…。

そしたら、明るく「おはようございま~す」とひとりのゼミ生がまるで地震など無かったかのようにゼミ室に入ってきました。そしたら教授がその彼に「お前、家は大丈夫か?」と聞くと、「は、なんのことですか?」と聞き返す彼。呆れ顔で声のトーンを上げて教授が「お前、実家は兵庫やろ?テレビ見てみぃ!」と怒鳴ると、テレビを見た彼の顔色がみるみる変わって、あわてて電話の受話器を取り上げ、実家に電話をかけ始めました。もちろん、電話などつながるはずもありません。がっくりと肩を落とす彼。幸い、あとで実家の無事は確認されたのですが…能天気な人もいるものだな、と僕は思っていました。

6千人を超える人が亡くなったその震災から数か月たった頃、僕はある大阪の大学に行く機会があって、大阪方面に向かって高速道路を走っていました。岡山を出発し、大阪に近づくにつれて街の風景が変わってきました。家の屋根にブルーシートが敷かれているのが、とてもよく目立つのです。岡山では震災の影響がほとんど無かったので、自分の中ですでに地震の記憶が風化してきているのを、ブルーシートの青い色を見ながら痛感し、心が痛くなったのを覚えています。

そして昨年、記憶にも新しい…というより、誰も忘れられない東日本大震災が起こりました。でも、この震災の記憶もやがて風化し、記憶の片隅に追いやられていくような気がします。事実、僕はあいも変わらず普通の生活を続けているし、テレビも今日は17年目ということで東日本大震災のことをからめて報道していますが、普段は震災のことを取り上げることが少なくなってきているような気がします。風化はさせてはいけないとは思いつつ、17年前の経験からすれば、やがて風化していってしまう…そんな不安や罪悪感が僕の中にあるのは、事実であり、本音です。

ただ、ひとつ違うのは、このブログを始めていることぐらいでしょうか。ブログをやめなければ、風化しつつあった記憶も、ニュースなどのふとしたきっかけで思い出して発信することができるかもしれません。もうすぐこのブログを始めて3年目を迎えますが、記憶を風化させるのを少しでも遅らせる、という意味でも、このブログを続けていく意義はあるのかな、なんて思っております。

東日本大震災で被害に遭われた方々の、一日も早い復興を心から願っております。17年目に際して思うことは、それだけです。あと、遅々として進まない復興への猛省を政府、官僚たちには求めていきたいです。

今日の朝、車の窓ガラスを見ると…
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氷紋ができていました。昨日は雨が降って寒かったのですが、今日は少し暖かくなりそうです。それではまた。
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