うちにZingaro-8がやって来た [天文]
毎度です…って、はや1か月たちそうな勢いです（汗）。ま、ぼちぼちがんばります（大汗）。
さて…またまた天文ネタ。最近こればっかりやな（苦笑）。なんとうちにZingaro-8がやって来ました。
笠井トレーディングが出している携帯できるニュートン反射望遠鏡です。スペックとしては口径20cm、焦点距離1,000mm、口径比F5の短焦点鏡です。
といっても、買ったわけではありません（汗）。前から時々このブログに登場している友達が買ったのですが、最近あまりにもいろいろ買いすぎて置く場所がないので（苦笑）、しばらく預かってくれないか、ということで、僕も置き場所があまりないのですが、大口径の望遠鏡は一度見てみたかったので、しぶしぶ（笑）預かることにしたのです。
それにしてもでっかいですな。といってもF5の短焦点鏡なので、長さが短いのが救いです。経緯台はドイツのベルレバッハのCastorで、三脚は中古のジッツォ大型三脚です。
フリクション形式の経緯台はバランスを慎重に取らないとうまく操作できないのが難点ですが、バランスさえきちんと取れば167倍程度でもなんとか操作できます。とはいえ、大型の1kgを超えるようなアイピースをつけると、外した途端にバランスが崩れて目標を外してしまうこともしばしばですが…（苦笑）。三脚は中古とはいえさすがジッツォ。堅牢で安心して望遠鏡を載せることができます。
預かって最初に行ったのが光軸調整なのですが…こいつがなかなかうまくいきません。何度やっても非点収差とコマ収差が消えません。これがZingaroの主鏡です。GS社（Guan Sheng Optical）製だそうです。
コイツを裏返すと、光軸修正をするためのネジが見えます。光軸修正の手順としては、小さい固定ネジ（≒引きネジ）をすべてゆるめて、大きな押しネジで調整して、最後に固定ネジを締めるようになります。
ネジをすべて外してベースプレートを外すとこんな構造になっています。
ホームページにもきちんと書いてありますが、プレートに主鏡が接着されている構造です。アップにしてみました。
個人的にはこの接着が収差の原因でないかと思っています。固定ネジをゆるゆるにして光軸修正をして天頂付近の星を見てみると、低倍率でも非点収差とコマ収差が残り、高倍率にしてみると三角形の星像が見えるのです。ディフラクションリングはキレイな円形を描くので、光軸修正は間違いなさそうです。よって、主鏡の接着時に主鏡の放物面が不均等に歪んで、コマ収差と非点収差が発生するのではないかと想像しています。
固定ネジ（引きネジ）はこんな形をしてます。
コイツを引きすぎるとディフラクションリングがおむすび型になってしまうので（笑）、ほどほどに加減して締めなければならないのが難しいところです。
現時点ではまず斜鏡を調整した後、主鏡の固定ネジを完全にゆるめて、押しネジがすべて主鏡プレートに触れる状態で調整した後、固定ネジを適当なテンションで締めるようにしています。こうすると仰角で光軸もさほど変わらず、低倍率だとなんとか許容できる程度の収差で収まります。
Zingaroでやらなければならないのが迷光対策です。ドローチューブから斜鏡を見てみると、
上下に外の景色が見えます。コイツが迷光として入ってくるので、像が真っ白になって星が見えなくなってしまいます（苦笑）。今は仮に黒い画用紙でフードを作って取りつけています。そのうちちゃんとした物をつくるつもりです。
実際にZingaroで星を見てみると、20cmの口径の暴力を実感します。どうしても収差が残るので、惑星表面の詳細な模様を見たり、離角の小さい二重星（こと座のダブルダブルなど）を見たりするのは苦手ですが（苦笑）、暗い星雲星団の検出は得意です。M57は167倍でリング状に見えますし、光害地で8cmだとまず見えないM71、69、70、54がなんとか見えて驚かされます。あと、M4、13などの球状星団などは収差のために完全に星々に分離はしませんが、倍率を上げるとざらついた構造が見えてきて、星々の固まりを実感することができます。
Zingaroは、もともとが旅先で大口径の望遠鏡で星々を見ることが目的の望遠鏡です。よくよく考えればこの構造で歪まない方がおかしいのです。なので、高倍率での精度をあきらめさえすれば、この望遠鏡の利点が見えてきます。僕も最初は収差を消そうといろいろ試行錯誤を繰り返してきましたが、最近はもうあきらめてしまって（笑）、低倍率での星雲星団散歩を楽しむようにしています。これで十分楽しい（笑）。こいつを友達に返すのがいつになるのかわかりませんが、それまでは20cmの口径の暴力を楽しませてもらおうと思っています。
長くなっちゃいました。最近暑くなってきましたね～（汗）。今日はようやく扇風機を出しました。エアコンはまだつけていませんが、みなさんも暑さには負けずにご自愛を。それでは、またっ。
さて…またまた天文ネタ。最近こればっかりやな（苦笑）。なんとうちにZingaro-8がやって来ました。
笠井トレーディングが出している携帯できるニュートン反射望遠鏡です。スペックとしては口径20cm、焦点距離1,000mm、口径比F5の短焦点鏡です。
といっても、買ったわけではありません（汗）。前から時々このブログに登場している友達が買ったのですが、最近あまりにもいろいろ買いすぎて置く場所がないので（苦笑）、しばらく預かってくれないか、ということで、僕も置き場所があまりないのですが、大口径の望遠鏡は一度見てみたかったので、しぶしぶ（笑）預かることにしたのです。
それにしてもでっかいですな。といってもF5の短焦点鏡なので、長さが短いのが救いです。経緯台はドイツのベルレバッハのCastorで、三脚は中古のジッツォ大型三脚です。
フリクション形式の経緯台はバランスを慎重に取らないとうまく操作できないのが難点ですが、バランスさえきちんと取れば167倍程度でもなんとか操作できます。とはいえ、大型の1kgを超えるようなアイピースをつけると、外した途端にバランスが崩れて目標を外してしまうこともしばしばですが…（苦笑）。三脚は中古とはいえさすがジッツォ。堅牢で安心して望遠鏡を載せることができます。
預かって最初に行ったのが光軸調整なのですが…こいつがなかなかうまくいきません。何度やっても非点収差とコマ収差が消えません。これがZingaroの主鏡です。GS社（Guan Sheng Optical）製だそうです。
コイツを裏返すと、光軸修正をするためのネジが見えます。光軸修正の手順としては、小さい固定ネジ（≒引きネジ）をすべてゆるめて、大きな押しネジで調整して、最後に固定ネジを締めるようになります。
ネジをすべて外してベースプレートを外すとこんな構造になっています。
ホームページにもきちんと書いてありますが、プレートに主鏡が接着されている構造です。アップにしてみました。
個人的にはこの接着が収差の原因でないかと思っています。固定ネジをゆるゆるにして光軸修正をして天頂付近の星を見てみると、低倍率でも非点収差とコマ収差が残り、高倍率にしてみると三角形の星像が見えるのです。ディフラクションリングはキレイな円形を描くので、光軸修正は間違いなさそうです。よって、主鏡の接着時に主鏡の放物面が不均等に歪んで、コマ収差と非点収差が発生するのではないかと想像しています。
固定ネジ（引きネジ）はこんな形をしてます。
コイツを引きすぎるとディフラクションリングがおむすび型になってしまうので（笑）、ほどほどに加減して締めなければならないのが難しいところです。
現時点ではまず斜鏡を調整した後、主鏡の固定ネジを完全にゆるめて、押しネジがすべて主鏡プレートに触れる状態で調整した後、固定ネジを適当なテンションで締めるようにしています。こうすると仰角で光軸もさほど変わらず、低倍率だとなんとか許容できる程度の収差で収まります。
Zingaroでやらなければならないのが迷光対策です。ドローチューブから斜鏡を見てみると、
上下に外の景色が見えます。コイツが迷光として入ってくるので、像が真っ白になって星が見えなくなってしまいます（苦笑）。今は仮に黒い画用紙でフードを作って取りつけています。そのうちちゃんとした物をつくるつもりです。
実際にZingaroで星を見てみると、20cmの口径の暴力を実感します。どうしても収差が残るので、惑星表面の詳細な模様を見たり、離角の小さい二重星（こと座のダブルダブルなど）を見たりするのは苦手ですが（苦笑）、暗い星雲星団の検出は得意です。M57は167倍でリング状に見えますし、光害地で8cmだとまず見えないM71、69、70、54がなんとか見えて驚かされます。あと、M4、13などの球状星団などは収差のために完全に星々に分離はしませんが、倍率を上げるとざらついた構造が見えてきて、星々の固まりを実感することができます。
Zingaroは、もともとが旅先で大口径の望遠鏡で星々を見ることが目的の望遠鏡です。よくよく考えればこの構造で歪まない方がおかしいのです。なので、高倍率での精度をあきらめさえすれば、この望遠鏡の利点が見えてきます。僕も最初は収差を消そうといろいろ試行錯誤を繰り返してきましたが、最近はもうあきらめてしまって（笑）、低倍率での星雲星団散歩を楽しむようにしています。これで十分楽しい（笑）。こいつを友達に返すのがいつになるのかわかりませんが、それまでは20cmの口径の暴力を楽しませてもらおうと思っています。
長くなっちゃいました。最近暑くなってきましたね～（汗）。今日はようやく扇風機を出しました。エアコンはまだつけていませんが、みなさんも暑さには負けずにご自愛を。それでは、またっ。
